私が父の取り組む、無農薬有機栽培のお米つくりに一緒に取り組むことになった
のが、30才の時でした。
農業高校出身で、一般的なお米作りを学んできた私にとって、父の取り組んでい
る無農薬のお米つくりはなんて非効率的で生産性のない農法なんだ、馬 鹿がや
ることだなと思う気持ち以上におもしろいことをやっているじゃないかと気持ち
が勝ってしまい、今に至ります(笑)
そんな私なので、今まで農薬を使うという選択肢は頭の中には全くなかったので
すが、まさか肥料も使用しないお米を作りを始めるなんて思いもしませ んでした。
有機由来と言われていても、現物が全く見えないものは使用するのに抵抗があっ
たので、肥料として用いるものは、堆肥や米ぬか、くず大豆などの目で 見て何
か判断出来るものだけを使用してきたのですが、昨年があまりにも、イネミズゾ
ウムシの被害が多くて、何の為に苦労して肥料を散布したのかと 分からいと途
方にくれていた時に、ふと思いだしたのです。
そうだ自然栽培(農薬も肥料も使用しない)って方法もあるなと・・・・もともと
農薬なんて使用してないんだし、駄目元でチャレンジしてみるかと思 い今年を
迎えました。
でも春になるとやっぱり、また思うのです。肥料を使わずに本当にいいのか?
使って駄目ならある意味やるだけやって駄目だったんだと諦めもつくけ ど、散
布しないで駄目だった場合は、諦めがつかないんじゃないかと・・・・
そんな私の背中を押してくれたのが、お客様からの問い合わせでした。自然栽培
米はもう売り切れなんですか?と・・・・
3月にチャレンジすると告知をしてから、思った以上の反響に私の心はきまりま
した。まずは乾田効果が期待できる田んぼをチョイスし1ヘクタールか らス
タートです。
カラカラに干した田んぼを土煙を上げながら、砕土し、その後に田植えをして、
除草を行いましたが、同じ田んぼで同じ生産者が昨年とほぼ同様な行程 をへて
今に至っているはずなのに、稲の姿は別物でした。
違うことと言えば肥料を使用していないことだけです。
もう目から鱗どころか、私の今までの認識を根底から覆すほどの出来事です。肥
料を使わなくても、稲はちゃんと育つじゃないかと(驚)
田植え直後のイネミズゾウムシの被害は殆どなかったので、これから出穂にあた
り被害が出るカメムシやイネツトムシの被害がなければ、来年は自然栽 培米へ
多くシフトチェンジする予定です。