釈然としない国会審議

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 本日、参議院においてTPP協定が承認され、関連法も成立しました。
 TPPに賛成もしくは反対は別として、ここのところ、国会審議が釈然としない気がしています。
 一言でいえば「民主主義らしくない」といったところです。
 本来、TPP協定について、様々な角度から、国会議員の英知を結集し、協定を結ぶべきか否かを審議すべきです。
 そのために国会議員も、衆議院は475人、参議院は242人と、それなりの定員が定められています。
 しかし、TPP協定の審議においては、十分な資料が示されたのか、質問に対して十分な答弁が行われたのか、11もの関連法案を一括上程で良いのかなど、大いに異議ありです。
 「質量ともに過去にない審議を重ねて、賛成派も反対派も議論を尽くし、立場は違っても一定の共通認識が出来た」と胸を張れる議員はいるのでしょうか。
 「とにかく通すんだ」という自民党・公明党の強い意思は感じられましたが、出せる情報は全て出して、交渉当事者からも説明をさせるというようなことはなかったと思います。
 これは、賛成派にとっても残念なことです。
 稲作農家としては「日本からの輸出に対して相手国の関税撤廃で輸出促進の条件は整備された。実際に輸出が増えるかは皆さんの努力次第だ。しかし、輸入は確実に増やしていく。農業にとっては痛手は大きいが、○○という事情で、皆さんには辛酸はなめてもらうが国としては協定を結びたい」ということを正直に話してほしかったです。
 「どうせTPPは発効しないから協定承認は大したことはない」と思う方もいるかも知れません。
 その通りであれば一安心ですが、どうも「日本はここまで譲歩することで世論をまとめました」という宣言をしたと、他国に受け止められるのではないかと心配しています。
 アメリカ合衆国をはじめとする他国からは、この協定内容を最低限として、さらなる譲歩を求められる契機になったように思います。杞憂なら良いのですが……。

 一連の自由貿易政策の結果として、現在の農業の姿があります。
 コメについては、TPP協定は「輸出を増やすかどうかは自己責任、輸入を増やすのは国家の義務」です。
 そのほかの分野にメリットがあったとしても、地域農業を守る立場からは、賛成できる内容ではありません。
 仮に輸出が急増したとしても、相手国の稲作農家に打撃を与えることは好ましいとは考えていません。

 みんなが心身ともに元気で暮らすための食料を供給することが農業の役割です。

 写真は、昨日の朝の車のフロントガラスです。

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