刈り取り前の稲に、雨粒が重くのしかかり、風と相まって、倒伏がすすんでいます。
何とか、もう少し持ちこたえてほしいものです。
これからどんどんと報道されると思いますが、暑すぎる夏は稲に大変な被害をもたらしています。
本県の主力のコシヒカリは、刈り取りの真っ最中ですので、途中経過しか分かりませんが、非常に厳しい状況です。
通常であれば、光合成で作られた炭水化物は籾にぎっちりと詰め込まれていきます。
しかし、暑すぎたり、条件が厳しいと、詰め込むときに空気を巻き込んでしまいます。
そうすると、玄米は半透明では無く、白っぽくなってしまいます。
白い物質が混じらなくても、空気によって白く見えてしまいます。
白くなった玄米の割合が増えると等級が下がります。
今年の場合、最も大きな要因は「暑すぎ」だと思います。
この「暑すぎる夏」は、今後も続く可能性が高い気がします。
さて、ここからです。
新潟県の稲作農業が現在の地位を保てるか、たくさんの方に「やっぱりお米は新潟」と思っていただけるかは、これからの取り組みによります。
今年並み、さらには今年以上の暑さが続くことを前提に、栽培管理はもちろん、品種開発も含めて、本気になって取り組んでいけるかが鍵を握っています。
「来年はここまで暑くならないだろう」とか「土壌改良材が足りないからだろう」名とと言うのであれば、「のんき」すぎですし、離農増を含めた農業の活力低下をさらにすすめることになります。
最短距離で改善する方法を考えるべきです。最短距離ですので、道程には山も谷もあるでしょう。しかし、山や谷を避けて遠回りしていてよいのでしょうか。
はっきり言います。
遠回りしていれば、その間に、農業者はどんどんいなくなります。解決策が見つかっても、現場に生かすマンパワーが間に合いません。
遠回りしていれば、他の産地に追い抜かれます。他の産地のものすごい気合いで、タブーを設けずに最短距離で近づいています。
最短距離ですすむには、様々な問題に切り込むものすごいパワーが必要です。
しかし、それが必要なのです。
新潟はがんばれるか。生産者は見守っています、共に取り組む覚悟を持って。